「目が見えにくくなって、ひとりで出かけるのが不安」
「病院や役所に行きたいけれど、付き添ってくれる人がいない」
「家族に、いつも頼むのは、申し訳ない」
そんなときに使える制度のひとつが、「同行援護(どうこうえんご)」です。この記事では、同行援護とは何か、どんな方が使えるのか、どんな外出に使えるのか、費用と、使いはじめるまでの流れを、札幌市や厚生労働省の公式ページをもとに、やさしくまとめました。
この記事でわかること
- 同行援護とは、どんなサービスか
- どんな外出に使えるか
- 使える方(対象)
- 費用(利用料)
- 申請から使いはじめるまでの流れ
- 1か月に使える時間(支給量)の決まり方
- 65歳以上・介護保険を使っている方も使えるか
- よくある質問
1. 同行援護とは?
同行援護は、視覚に障がいがあって、ひとりでの移動が、とてもむずかしい方の外出に、ガイドヘルパー(外出の付き添いをする人)が同行して、支えるサービスです。国の障害福祉サービスのひとつで、札幌市では、お住まいの区の区役所に申請します。
ガイドヘルパーは、次のような支援をします(厚生労働省)。
- 外出先への移動の手伝い(道を歩くときのガイドなど)
- 移動に必要な情報の提供(まわりの様子の説明、代読・代筆など)
- 排せつや食事などの介助(必要なとき)
同行援護のガイドヘルパーは、同行援護の研修を修了した人です。
2. どんな外出に使える?
札幌市の案内では、日常生活に必要な外出が、対象です。札幌市の移動支援ガイドライン(令和7年10月)の「外出の範囲」には、次のような外出が、例に挙がっています。同行援護の外出の範囲も、このガイドラインを見るよう、案内されています。
- 役所、裁判所、警察署などでの手続きや相談、選挙の投票
- 病院や診療所への受診、入退院の手続き
- 買い物(商店、デパートなど)
- 理容院、美容院
- 銀行、郵便局などの金融機関
- 美術館、映画館、コンサート、体育館、動物園などの利用
- 結婚式、葬式、法事
- 国、道、市、区が行う、研修や講座、見学などへの参加
外出先での、必要な代読・代筆も、移動に必要な情報の提供として、支援の範囲に入ります(厚生労働省)。たとえば、病院の受付での書類や、お店での案内の読み上げなどです。
3. 使える方(対象)
札幌市の案内では、次のような方が、対象とされています。
- ご自宅で生活している方
- 視覚に障がいがあり、身体障害者手帳を持っている方
- ひとりでの移動が、むずかしい方
国(厚生労働省)の判定の基準では、手帳の等級だけでなく、「同行援護アセスメント調査票」という調査の点数で、判断されます。視力、視野、夜盲(暗いところで見えにくいこと)のいずれかの項目と、移動の項目で、一定の点数があることが、目安です。障害支援区分の認定は、必要ありません。
ご自分が対象になるかどうかは、お住まいの区の区役所(保健福祉課)で、確認できます。
4. 費用(利用料)
札幌市の案内では、原則として、費用の1割が、自己負担です。生活保護を受けている世帯や、市町村民税が非課税の世帯は、自己負担が0円です。また、月ごとの自己負担には、上限があります(障害福祉サービス共通の決まりです)。
ガイドヘルパーの交通費などが、別に必要になる場合があります。くわしくは、利用する事業所に、確認してください。
5. 申請から使いはじめるまでの流れ
- お住まいの区の区役所(保健福祉課)に、支給の申請をする
- サービス等利用計画案(どんなサービスをどう使うかを書いた計画)を出す。相談支援事業所につくってもらえるほか、ご自分でつくる「セルフプラン」もあります
- 区役所の職員(調査員)が、ご本人のところに来て、心身の状況などを聞き取る
- 支給が決まり、「受給者証」が届く
- 同行援護を行っている事業所を選んで、契約する
- ガイドヘルパーと、外出の日時や行き先を相談して、使いはじめる
サービスによっては、支給が決まるまでに2か月ほどかかる場合があります。使いたいときが決まっている場合は、早めに、区役所に相談してください。
6. 対象にならない外出の例
札幌市の案内では、次のような外出は、同行援護の対象外とされています。
- 通勤や営業など、経済活動にかかわる外出
- 宗教の活動や、選挙運動などの政治活動
- ギャンブルや、公序良俗に反する外出
通学、通所、学童保育への送迎は、「通年かつ長期にわたる外出」にあたるため、札幌市では、原則として、対象外とされています。ただし、移動支援では、保護者が、仕事や病気などで付き添えない場合に、利用が認められることがあります(札幌市のガイドライン)。同行援護で、お子さんの通学などに使えるかどうかも、区役所(保健福祉課)に、相談してみてください。
くわしい範囲は、札幌市の「移動支援ガイドライン」の「外出の範囲」や、区役所でご確認ください。
通勤や仕事中の支援は、同行援護では使えませんが、仕事のための別の制度があります。くわしくは、「視覚障害がある方の通勤・仕事の支援|同行援護で通勤できないときに使える制度」をご覧ください。
7. よくある質問
Q. 付き添ってくれるのは、どんな人ですか?
同行援護の研修を修了した、ガイドヘルパーです。事業所によって、ヘルパーのいる曜日や時間がちがうので、利用したい事業所に、聞いてみてください。
Q. 1か月に、どれくらい使えますか?
利用できる時間(支給量)は、ご本人の心身の状況、介護をする方の状況、住まいの環境、サービス等利用計画案などをもとに、区役所が決めます(札幌市)。月の時間数の目安は、公開されていないので、「通院は月に何回」「買い物は週に何回」のように、必要な外出を、申請のときに、具体的に伝えると、相談しやすくなります。
Q. 65歳以上でも、使えますか? 介護保険を使っていても、使えますか?
使えます。札幌市の資料(令和5年4月作成)では、同行援護は、「サービスの内容や機能から、障害福祉サービス固有のもの」とされています。介護保険の被保険者(65歳以上の方など)でも、通常の支給決定と同じように、必要性を確認したうえで、決められます。ホームヘルプなど、介護保険が優先されるサービスとは、扱いがちがいます。くわしくは、区役所でご確認ください。
Q. 家族が付き添うのと、どうちがいますか?
同行援護は、視覚に障がいのある方の外出を、専門の研修を修了したヘルパーが、支えるサービスです。「家族に頼みにくい」「ひとりで出かけたい」というときにも、使えます。
Q. 手帳がないと、使えませんか?
札幌市の案内では、身体障害者手帳を持っている方が、対象とされています。国の基準は、アセスメント調査の点数で判断されます。手帳の取得や、対象になるかどうかは、区役所の窓口で、相談してみてください。手帳の取得については、「障害者手帳の等級で分かる「その人の状態」と、受け取れるお金」もあわせてご覧ください。
Q. 家の中での代読や代筆も、お願いできますか?
同行援護は、外出時の支援です。家の中での代読・代筆は、同行援護の対象ではありません(厚生労働省)。ほかのサービスで対応できる場合があるので、区役所や、相談支援事業所に、相談してみてください。
Q. 移動支援との、ちがいは何ですか?
同行援護は、視覚に障がいのある方のための、国の障害福祉サービスです。移動支援は、札幌市が行う、障がいのある方の外出の支援です。視覚に障がいのある方は、同行援護が優先されます(札幌市の移動支援ガイドライン、令和7年10月)。移動支援で、視覚に障がいのある方の対象は、身体障害者手帳の視覚障がい1級または2級の方です。費用の決まりも、ちがいます。移動支援は、生活保護の世帯と、市民税非課税の世帯は無料、市民税課税の世帯は、費用の10%です。くわしくは、区役所でご確認ください。
まずは、区役所に、相談してみる
- 同行援護は、視覚に障がいのある方の外出に、ガイドヘルパーが付き添うサービス
- 通院、買い物、役所の手続きなど、日常生活に必要な外出に使える
- 費用は、原則1割負担。生活保護・非課税の世帯は、0円(月ごとの上限あり)
- 申請は、お住まいの区の区役所(保健福祉課)
- 対象になるかどうかは、区役所で、確認できる
ハコブネにも相談できます
外出支援サービス ハコブネでは、同行援護(視覚に障がいのある方)と、移動支援を行っています。「自分は対象になるのか」「どう申請すればいいのか」といったご相談も、お気軽にどうぞ。
※この記事は、2026年10月時点の、札幌市、厚生労働省の公式ページの情報をもとにした、一般的な説明です。制度の内容は変わることがあります。対象になるかどうか、費用、使える外出の範囲は、一人ひとりちがうため、くわしくは、お住まいの区の区役所(保健福祉課)でご確認ください。
