「目が見えにくくなっても、仕事を続けたい」
「会社までの通勤が、ひとりでは、不安」
「職場で、書類を読んだり、書いたりするのが、むずかしい」
視覚に障がいがあって、働いている方、これから働きたい方に、お伝えしたいことがあります。同行援護は、通勤には使えませんが、仕事のための、別の支援が、あります。この記事では、札幌市の制度と、会社が使える助成金を、公式ページをもとに、やさしくまとめました。
この記事でわかること
- 同行援護で、通勤や仕事中の支援が、できない理由
- 仕事のために使える、3つの支援
- 札幌市の「重度障がい者等就労支援事業」(対象、支援内容、費用、申請方法)
- 会社が使える助成金(JEED)
- 使いはじめるまでの流れ
1. 同行援護は、通勤や仕事中には、使えません
同行援護は、日常生活に必要な外出を支えるサービスです。札幌市の案内では、通勤や営業活動など、経済活動にかかわる外出は、対象外とされています。
でも、あきらめなくて大丈夫です。仕事のための支援は、別の制度で、用意されています。同行援護の基本は、「同行援護とは?対象・利用料・使い方|視覚に障がいのある方の外出支援」をご覧ください。
2. 仕事のために使える、3つの支援
| 支援 | だれが使う | 内容 |
|---|---|---|
| 札幌市の「重度障がい者等就労支援事業」 | 働く本人(会社員、自営業など) | 通勤の支援と、職場での支援 |
| JEED(高齢・障害・求職者雇用支援機構)の助成金 | 雇っている会社 | 職場で介助する人を置く費用、通勤の援助者の費用などの助成 |
| ジョブコーチ(職場適応援助者) | 働く本人と、会社 | 職場に出向いて、仕事に慣れるための支援や、会社への助言 |
3. 札幌市の「重度障がい者等就労支援事業」
札幌市の案内では、重度の障がいのある方の雇用を促進するために、通勤の支援と、職場での支援を行う事業、とされています。国の制度(重度障害者等就労支援特別事業)にもとづいて、札幌市が実施しています。ただし、対象になるかどうかは、障害の等級ではなく、次の条件で決まります(札幌市のページに、等級の条件は書かれていません)。
対象となる方
次の3つすべてに、当てはまる方です。
- 札幌市に住所がある方(働く場所は、札幌市内でなくても大丈夫です)
- 札幌市から、同行援護、重度訪問介護、行動援護のいずれかの支給決定を、受けている方
- 1週間の所定の労働時間が、10時間以上の方
就労継続支援A型の事業所で雇用されている方や、国や自治体などの公務部門で雇用されている方は、対象外です。
支援の内容
民間の会社で働いている方は、JEEDの助成金と、この事業を、組み合わせて使います。
| 支援の種類 | JEEDの助成金 | 札幌市の事業 |
|---|---|---|
| 通勤の支援 | 申請した年度から3か月目まで | 4か月目から |
| 職場での業務の介助(文書の作成補助、入力作業、外勤の付き添いなど) | 対象 | 対象外 |
| 業務以外の福祉的な支援(喀痰吸引、姿勢の調整、安全のための見守りなど) | 対象外 | 対象 |
この事業を使うには、会社が、JEEDの助成金(職場介助助成金か、通勤援助助成金のどちらか、または両方)を、申請していることが前提です。
自営業など、会社に雇われていない方は、JEEDの助成金の対象にならないので、この事業だけで、利用を始めた月(1か月目)から、支援を受けられます。
使える時間(支給量)
- 通勤の支援:通勤にかかる時間
- 職場での支援:1日8時間、かつ1週間40時間まで
実際の時間は、申請のときに出す「支援計画書」をもとに、決まります。
費用(利用者負担)
同行援護などで決まっている、負担の上限額(月額)と、同じ額です。上限に達するまでは、費用の1割を、自己負担します。
| 区分 | 世帯の状況 | 負担の上限(月額) |
|---|---|---|
| 生活保護 | 生活保護を受けている世帯 | 0円 |
| 低所得 | 市町村民税が非課税の世帯 | 0円 |
| 一般1 | 市町村民税が課税の世帯で、所得割が16万円未満 | 9,300円 |
| 一般2 | 市町村民税が課税の世帯で、一般1以外 | 37,200円 |
申請の方法
受付は、随時です。札幌市の障がい福祉課に、申請します。必要な書類は、次のとおりです。
- 申請書(様式1)
- 支援計画書(様式2)
- 同行援護・重度訪問介護・行動援護の支給決定を示す、受給者証の写し
- 会社で働く方:雇われていることを証明する書類の写し
- 自営業の方など:自営業などであることを証明する書類の写し
障がい福祉課に出す前に、支援計画書をつくって、JEEDで、受付と確認を受ける必要があります。支援計画書づくりは、相談支援事業所に、手伝ってもらえます。
4. 会社が使える助成金(JEED)
JEEDは、障がいのある方の雇用を支える、国の機関です。会社が使える助成金には、たとえば、次のものがあります。
- 障害者介助等助成金(職場介助者の配置・委嘱):視覚障がいや、身体障がいのある方の仕事を、助ける職場介助者を、置く費用の助成です。たとえば、仕事のサポートをする人や、外出が必要な仕事に、同行する人です
- 通勤援助助成金:通勤を助ける援助者に関する助成です
金額や、条件は、変わることがあります。くわしくは、JEED北海道支部(札幌市西区二十四軒4条1丁目4番1号、電話 011-622-3351)に、ご相談ください。
5. ジョブコーチ(職場適応援助者)
ジョブコーチは、障がいのある方が、職場に慣れて、働き続けられるように、職場に出向いて、支援する人です。仕事の覚え方や、職場でのコミュニケーション、会社への助言などを、支援します。くわしくは、JEEDや、地域障害者職業センターに、ご相談ください。
6. 使いはじめるまでの流れ
- 同行援護の支給決定を、受けていなければ、まず、区役所に、同行援護を申請する(くわしくは、同行援護の記事をご覧ください)
- 会社と相談する(会社で働く方の場合)
- JEED北海道支部に、助成金について、相談する
- 支援計画書をつくる(相談支援事業所に、手伝ってもらえます)
- JEEDで、支援計画書の受付・確認を受ける
- 札幌市の障がい福祉課に、申請する
- 同行援護などの事業所と、契約して、使いはじめる
手続きに、時間がかかることがあります。仕事を始める時期が決まっている場合は、早めに、相談してください。
7. よくある質問
Q. 週に10時間未満の仕事でも、使えますか?
札幌市の事業は、1週間の所定の労働時間が、10時間以上の方が、対象です。10時間未満の場合は、障がい福祉課に、相談してみてください。
Q. 就労継続支援A型で働いていても、使えますか?
就労継続支援A型で雇用されている方は、この事業の対象外です。公務部門で雇用されている方も、対象外です。
Q. 自営業でも、使えますか?
使えます。JEEDの助成金の対象にならないので、この事業だけで、1か月目から、通勤と職場での支援を、受けられます。
Q. 同行援護の申請は、まだしていません。
この事業は、同行援護、重度訪問介護、行動援護の、いずれかの支給決定を受けていることが、条件です。まず、同行援護の申請から、始めてください。
Q. どこに相談すればいいですか?
札幌市の障がい福祉課(電話 011-211-2936)と、JEED北海道支部(電話 011-622-3351)が、窓口です。お住まいの区の区役所(保健福祉課)でも、同行援護の相談ができます。
まずは、相談してみる
- 同行援護は、通勤や仕事中には使えない。仕事のための、別の制度がある
- 札幌市の「重度障がい者等就労支援事業」は、通勤と職場での支援が受けられる
- 会社は、JEEDの助成金を、使える
- 対象は、同行援護などの支給決定を受けた、週10時間以上働く方
- 相談窓口は、札幌市の障がい福祉課と、JEED北海道支部
ハコブネにも相談できます
外出支援サービス ハコブネでは、同行援護(視覚に障がいのある方)と、移動支援を行っています。「同行援護を使いたい」「自分は対象になるのか」といったご相談も、お気軽にどうぞ。
※この記事は、2026年10月時点の、札幌市(重度障がい者等就労支援事業:令和7年4月1日施行の要綱)、JEEDの公式ページの情報をもとにした、一般的な説明です。制度の内容、助成金の金額、条件は、変わることがあります。対象になるかどうかは、一人ひとりちがうため、くわしくは、札幌市の障がい福祉課、JEED北海道支部でご確認ください。
